商品検査室だより

食の安全の取り組みの一環として、ホームページに毎月の検査実績と商品相談の概要をお知らせいたします。
多くの組合員さんに、検査を中心とした安全推進活動の中身を知っていただき、商品相談状況など、生協の安全の取り組みについてご紹介いたします。

2011年12月度 CO・OP顆粒ガラスープ

<2011年12月度検査状況 11年11月21日~11年12月20日>
残留農薬 残留放射線 微生物 食品添加物 外部委託 卵質 合計
新規事前商品 8 0 472 41 1 0 522
抜取商品 37 100 359 5 1 10 512
調査品他 3 3 26 0 1 0 33
合計 48 103 857 46 3 10 1067

見学件数:4件27名

★12月度は1,067件の検査(昨年842件)と商品の相談受付は394件(昨年394件)でした。
★微生物検査・理化学(残留農薬・食品添加物)検査とも、商品回収・人体危害にかかわる不適合はありませんでした。
★新規取扱事前検査で再検査を要するものが1品あり、製造者へ改善・再検査実施を要請しました。
★抜取り検査で1品について残留農薬が不適合となりました。再検査の結果問題ありませんが、産地への適正管理を要請しました。
★残留放射線検査で103品行い、すべて検出せず(検出限界は20ベクレル/㎏)でした。
★腹痛下痢、スキントラブルなどでの、同一商品の複数発生はありませんでした。

●商品お問い合わせ紹介●

<お申し出内容>
CO・OP顆粒ガラスープ〈ボトル〉130g
開けて1度使い、常温でそのまま半月ほど置いていたら、中身が茶色っぽくなっていました。
このまま使って大丈夫なのでしょうか?

<検査室からのお答え>
ご心配おかけしました。お申し出の変色は、原料の糖質の一種である『乳糖』の褐変現象によるものと判断できます。召し上がっても人体への影響はありません。
『乳糖』は熱を受けると、カラメル化反応という褐変現象が起き茶色に変色します。この反応は温度が高い場合には急速に進行しますので、夏季の高温下での保管が商品に影響を及ぼしてしまったものと考えられました。
変色のお申し出が多いことから、2011年年末企画分より、『乳糖』の量を減らして変色が発生しにくい仕様に変更しています。


<2011年12月度商品相談受付状況>
主なお申し出状況(昨年度)
人体有症 9件(9件)
異物混入 52件(58件)
異味異臭 20件(27件)
他意見・質問など 313件(300件)
合計 394件(394件)

~新しい生食用食肉(牛肉)の規格基準・表示基準~

 昨年4月に飲食チェーン店で発生した腸管出血性大腸菌による食中毒事件等を受け、食品衛生法の規定に基づき、食品、添加物等の規格基準の一部が改正され、生食用食肉(牛肉)の規格基準が新たに設定されました。

新たに設けられた規格基準は、(1)成分規格(2)加工基準(3)保存基準(4)調理基準です。 そして、今回の規格基準の設定にあわせて、消費者庁においても「生食用食肉の表示基準」も設定されました。概要を紹介します。

(1)成分規格

○腸内細菌科菌群が陰性であること。

(2)加工基準

○生食用食肉専用の設備を備えた衛生的な場所で、専用の器具を用いて加工すること。
○加工は、腸管出血性大腸菌のリスク等について知識を有する者が行うこと。
○加工に使用する肉塊は、枝肉から切り出した後、速やかに加熱殺菌を行うこと。

(3)保存基準

○冷蔵品は4℃以下、凍結品は-15℃以下で保存すること。

(4)調理基準

○調理は、腸管出血性大腸菌のリスク等について知識を有する者が行うこと。
○調理を行った生食用食肉(牛肉)は、速やかに提供すること。

(5)表示基準

○飲食店等においては、一般的に食肉の生食は食中毒のリスクがある旨、子ども、高齢者その他食中毒に対する抵抗力の弱い者は食肉の生食は控えるべき旨を店頭やメニュー等に掲示する必要があります。
○容器包装に入れて販売する場合には、上記に加えて、生食用である旨、関係と畜場に関する事項、及び関係加工施設に関する事項を表示する必要があります。

*腸管出血性大腸菌やサルモネラ属菌等の一部の食中毒菌は、家畜の腸内に一般的に存在することから、食肉の加工・調理において、これらの微生物を完全に除去することは困難です。このため、規格基準に適合した生食用食肉(牛肉)であっても、子どもや高齢者などの抵抗力の弱い方は、生肉を食べないよう、また、食べさせないよう十分注意しましょう。

放射性物質による問題への取組みはこちら

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