商品検査室だより

2023年12月度 魚介類の寄生虫

アニサキス

 「アニサキス」は、寄生虫の中で最も世間に名前が知られているもののひとつで、体長1~3cmで白色、少し太い糸状で魚介類に寄生します。(内臓に多く含まれます)もし魚を生で食べた時に、生きているアニサキスが体内に入ると、まれに数時間後に激しい腹痛や吐き気などの症状を起こします。
 アニサキスは、60℃以上の加熱1分、70℃以上では瞬時に死滅します。またはマイナス20℃以下24時間以上の冷凍で死滅します。なお、生協の共同購入・個人宅配の刺身用の冷凍魚は、マイナス20℃以下で24時間以上冷凍しています。

ゼリーミート現象

 魚に寄生した胞子虫に由来するタンパク質分解酵素が、魚が死んだ後に働きだすことで生じる現象です。サバ、サケ、銀ダラなどに見られる傾向があります。
 ゼリーミート化した魚は身質が溶けたように軟化し、加熱しても、身が固まらずにパサパサした食感になることが知られています。食されても人体に影響はありませんが、口当たりが悪く美味しくはありませんので、作業工程で明らかにゼリーミートと分かるものは除去するようにしています。

アニサキス注意点

◆注意する魚 サバ・ブリ・イカ・タラ・イワシ・サケ・カツオ
◆鮮魚を丸ごと1匹購入する際は、新鮮なうちに速やかに内臓を取り除く
◆目視で確認して幼虫を除去

※一般的な料理で使う食酢での処理、塩漬け、醬油やわさびを付けても、アニサキス幼虫は死滅しません。(厚労省HPより一部参照)

【商品検査のとりくみ】商品検査数 1263件(計画比107.4%)

〈12月度検査状況(23.11.21~23.12.20)〉

検査の種類 検査件数 注意品 内容と結果
微生物検査 906 1 注意品は品質上の問題はありませんでしたが、製造メーカーへ原因調査・対策化を要請のうえ再検査を実施し、商品回収・人体危害にかかわる不適合がないことを確認しました。
残留農薬検査 40 なし 問題ありませんでした。
理化学検査 216 なし 問題ありませんでした。
残留放射能
(放射性物質)検査
20 なし 生鮮・一般食品を検査し、全て検出はありませんでした
(検出限界値は各20ベクレル/㎏)。
輸入食肉検査 16 なし 問題ありませんでした。

その他

※店舗・福祉施設の設備の衛生検査など

65 なし 問題ありませんでした。

【商品の相談受付状況】75件

  • 人体危害(腹痛下痢、スキントラブルなど)での、複数発生商品はありませんでした。

> バックナンバーを見る