真夏の夜、木の香も新しい文化芸術センターはハワイマウイ島になった。ナプア・グレイグ率いるダンサー達は、2010年の初来日以来人気が高い。ナプアは、名歌手フル・リンジーを母に持ち幼い頃から音楽とフラを学び、姉と二人でハーラウ（※）を創設、クムフラとして後進を育ててきた。ゆったりと踊るフラは現代フラだが、ステージ中央で朗々と響くナプアの歌声に合わせ、ワヒネ達が踵（かかと）をキュッと上げ民族色豊かに踊る古典フラに圧倒された。
　He Mele No Kalakaua（へ メレ ノ カラカウア）のカネ達の、ひときわ力強く床を踏み鳴らす男性ならではの一曲、一方でKa’a Ahi Kahului（カア アヒ カフルイ）（別名「カフルイの汽車ぽっぽ」）という曲では、ナプアの息子がケイキフラを可愛らしく堂々と披露。その後のナプアの父親のルーツである沖縄の「島人ぬ宝」の歌を聴くにつけ、日本とハワイの絆を強く感じさせられた。まさに、“Home is Where the Heart is（自分の心のあるところ）”だった。（はるる）

※ハーラウ／フラスクール、クムフラ／フラの師範、ワヒネ／女性ダンサー、カネ／男性ダンサー、He Mele No Kalakaua／カラカウア王に捧げる歌、ケイキフラ／子どもフラ