コープシアター大阪 第86回例会

OSK日本歌劇団
レビュー 春のおどり
5月2日・3日・6日・7日 松竹座

コープシアター初登場のOSK日本歌劇団による春のおどり。
前からのファンは一層嬉しく、初めて鑑賞する人はどんな演し物なのだろうと期待がかかります。
OSKの歴史は大正11年にさかのぼります。
当時、松竹歌劇は流行する洋物をとり入れるべく松竹楽劇部を設け、翌年開場した松竹座でクラシックバレエ風の「アルルの女」が上演されます。
そして開場3年目、「春のおどり」が誕生し、その後なにわの春を彩るOSKの名物となります。
昭和18年大阪松竹歌劇団OSKと改称。
平成15年一旦解散に追い込まれたものの平成16年にはNEW OSKとして蘇り12年が経ちました。
そして昨年、桜花昇ぼるからトップを引き継いだ高世麻央。
第一部の「花の夢恋は満開」第二部の「Take the Beat!」でいなせな新カラーを披露します。
花の夢では江戸の廓(くるわ)を舞台に繰り広げられる高世麻央の大尽(だいじん)と傾城(けいせい)折原有佐の恋の鞘(さや)当てと、道ならぬ恋。
それがやがて炎上し廓に大火事をもたらす。という筋立てです。
幇間(ほうかん)役(※太鼓持ち)の真麻里都を案内人として廓のなりわいをダイナミックな衣裳と舞踊で見せるのにぐんぐん引き込まれます。
火事の場面で纏(まとい)持ち桐生麻耶が男役の見せ所、火消しの心意気を力強く舞い、そのカッコ良さに感激!!
第二部は洋物レビュー。しっとりとした和物からスピード・パワフルなダンスでOSKの真骨頂を披露。
サマータイムなどのスタンダードナンバーもさることながら主な男役5人でのオリジナル「歩き続けて」は未来への希望を感じさせ、
ラインダンスに新人の夢を託し、名物の傘回しで桜咲く国を歌い余す所なく満開の春を届けます。
「この人たち皆女性やね?」と初めてOSKを観た人が感嘆したように訊ねていました。(はるる)