生産者さんおじゃましまーす

掲載日:2010年07月12日

産直高原野菜ボックス/長野県・JAながの

  天気がいい日の早朝は北アルプスの稜線が見える、長野県七二会(なにあい)地区、小田切地区。
23年前、「夏に生野菜がほしい。できるだけ農薬を使っていない夏野菜を」という生協の要望に応えて、養蚕一色だったこの地域が野菜作りを始めます。
今は、最盛期に比べ生産者は高齢化し、生産量も下がっています。しかし、産地では「農業の灯を消したくない」と生産者を増やし、農業を続けるためのとりくみをしています。

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どの畑も急傾地が特徴です。
写真は産直部会副部長・池田博之さん(左)の畑。

農業が途絶える危機を感じて

  JAながの産直部会部会長の渡辺昌孝さんは地元の中条(なかじょう)高校の「農業科」が廃止になったとき、「この地で誰が農業を伝えるのか」と農業が途絶える危機を感じ、地元農業を支える女性たちに農業の指導を始めました。

  そして、2001年には、サラリーマンなどを定年退職した数名が農業をやろうと集まり『帰農塾』が誕生。
渡辺さんはこの『帰農塾』でも経験5年未満の人たちに農業を指導しています。
「帰農塾では種まき、土作り、育苗、防除(病虫害を防ぎ、駆除すること)など最初から全部自分でやってもらってる。今自分でやっておけば、これから先、人に教えることができるよ」。

  衣料品のバイヤーをしていた塩入(しおいり)正一さん。
40年間サラリーマンをした後、帰農塾で渡辺さんの指導を6年間受けました。
故郷の耕作されずそのままになった荒れた農地をもとの農地に戻したいという思いから農業をはじめ、今では環境に配慮しながら生産しています。

「普通は一年ごとに使い捨てにする
マルチ※も2~3年使うんだ。資材費も減らせるし第一環境に優しくなくちゃね。薬なんかも、空気や水が良いところでわざわざ使いたくない」と塩入さん。

「農業っておもしろいよ。おもしろくなきゃできないね。
『あぁ、この木が最後まで実を付けてくれればなぁ』って思いながらやってる。
子どもを育てる気持ちなんだよ、農業って。
そうだ、パルコープから親子が毎年夏にやってくるけど、ぜひ子どもたちだけで農家に2~3泊して農家を手伝って交流してほしいな。
農家の食事を食べることが大切なんだ。子どもたちだけでね」

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(左)塩入さん  (右)渡辺さん

  今年で10年目の帰農塾。
今では65~70歳の22人が農業の指導を受け、そのうち5人の塾生が野菜ボックスの生産者になっています。
彼らが作る生産物、「産直高原野菜ボックス」をこれからも育みたい。

※マルチ...保温、雑草抑制などの目的で畑の土を覆うビニール。

野菜ボックス スタート時からの生産者

野菜ボックス スタート時からの生産者、石坂嬉子(いしざかよしこ)さん(92歳)。

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「なすびも今、こんないい顔してても収穫の時、病気にならないとは限らないからね。
一回病気になるとダメ。
形も色々だと消費者はダメでしょ。
だから野菜は蚕よりむずかしいね。
熊にはまだ会ったことないけど、この前は鹿とにらめっこしたよ。
『出てきちゃだめだ』って言ってやった」
(こちらの産地でも動物が里に降り、畑を荒らすことが多くなっています)

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産直高原野菜ボックス

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写真はイメージです。

[産直]産直高原野菜ボックス5品目(1回限り) 880円

※毎週企画です。セット内容は企画回によって変わります。
7月4回 (セット内容)トマト、なすび、きゅうり、キャベツ、ピーマン。

※8月からは連続企画があり、1回あたり780円と割引価格になります。
くわしくは8月1回商品案内をごらんください。

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