被災地 岩手県の今 現地からの報告会

日本大震災復興応援企画

 

2011年3月11日の東日本大震災発生後から5年経った今もまだ復興がすすんでいない現状があります。 そんな現地の状況やこれからについて、岩手から現地で活動されている4名の方をお招きし、報告会を行いました。 当日は、パルコープ・よどがわ・ならの3生協から305名の組合員さんや職員が参加しました。 木瀬さんの報告からは岩手の現状を知ることができ、陸前高田市・大槌町で新しい街づくりに参画し頑張っている3名の若者からは、震災から学び、後世に活かすための前向きな姿とエネルギーを感じることができました。

基調報告

木瀬 きせ 公二 こうじ さん(シニアライター)

1948年東京生まれ、67歳。
1973年、朝日新聞入社。日本初の葬式専門記者や盛岡支局長などを歴任。
定年を機に岩手県遠野市に妻と二人で移住。現在もシニアライターとして現役で活動している。
著書に、むのたけじさんの聞き書き「日本で100年生きてきて」(朝日新書)、「百年目の遠野物語」(荒蝦夷)など。 *現在、NPO遠野まごころネット理事。

報告 最近仮設住宅に行くと、「あらお若いわね」と言われます。その言葉の真意は見た目より若いということでなく、「私らなんかもう80歳ですよ。夫婦そろって。あなたはまだ10年や20年生きられるでしょう。だけど私はもうすぐ死んじゃうんですよ。なのにこの仮設住宅に入っているんです。家を建てたいと思っているけれども、これからどうなるかも分からない。嵩上げがいつ終わるかも分からない。もうどうしたらいいんでしょうか」と。そういう言葉が隠されているんです。小さな家でもいいと予算を立てても、時間が経ちすぎて資材高騰などもありどんどん高くなっていく。あきらめて災害公営住宅に入ろうか…。でも今までの知り合いもいなくなってしまう…。一方で、そこへも入居できない方たちが大勢いるのも現実なんです。 今、その方たちが欲しいものは希望です。明日元気に生きられる、見通しがあるから頑張れる。その状況が今は無いんです。 被災地から仮設住宅が無くなった日から震災後が始まる。ぼくら「遠野まごころネット」は、最低限その日まで活動を続けようと言っています。ぜひみなさんと末永く一緒にやっていけたらこんなに嬉しいことはありません。
団体 *「遠野まごころネット」とは:東日本大震災の時に遠野市民を中心として結成された被災地支援団体。
パルコープでは2011年5月から参加団体として登録。 遠野まごころネット
まごころネット

パネルディスカッション

東梅とうばい和貴かずきさん(一般社団法人「おらが大槌夢広場」スタッフ)

岩手県大槌町出身の21歳。
高校2年生の時に東日本大震災を経験。
一度は大槌町を離れたが仕事の厳しさに耐え切れず半年後に大槌町に戻る。
復興は進まない町・今の自分が出来ることは何かを考える日々が続いていたが、一般社団法人おらが大槌夢広場の存在を知り入社。
今は語り部ガイド・修学旅行・企業研修の受け入れを主に担当している。

報告 当時は高校2年生。この5年は早かったです。語り部ガイドの仕事に就いてからいろんな人に想いを伝え、出会いがあり成長することができました。僕たちは伝えるだけでなく、共に成長できるような活動をしていきたいと思います。大槌町は3割が高齢者。そんな中でも今後、若者が成長する場・何でも挑戦できる場をつくりこれからの町を担っていきたいです。
団体 おらが大槌ゆめ広場
おらが大槌ゆめ広場

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永田ながた園佳そのかさんさん(「まるごとりくぜんたかた協議会」スタッフ)

岩手県陸前高田市出身の25歳。
大学卒業後、同市に戻り社会福祉協議会に就職。
生活支援相談員として被災者の見守りや相談活動などを行う。
2014年6月に退社後、複数の仕事をしながら関東圏でのイベントなど、地元の活性化に繋がる仕事を行う。同年11月まるごとりくぜんたかた協議会に就職。
企業研修や教育旅行の企画、アテンドを担当している。

報告 大学2年生だった私は卒業後地元に戻ってきました。陸前高田は「震災で大変になったまち」でなく、「震災で大変な事が加速したまち」。人の流出が早まっているんです。協議会の取り組みを通じて、来訪者をどんどん受け入れ、訪れて良し住んで良しの高田をつくりたい。みなさんにお願いしたいのは、高田の人たちを好きになってほしい、友だちになってほしいです。これからは「民泊」もやる予定なので会いにきてください。
団体 まるごとりくぜんたかた協議会
まるごとりくぜんたかた協議会

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岡本おかもと翔馬しょうまさん(認定NPO法人「桜ライン311」代表理事)

岩手県陸前高田市出身の33歳。
28歳の時に経験した東日本大震災をきっかけに東京での会社員生活に区切りをつけ帰郷。
震災直後から支援活動を始めとして様々なNPO活動に従事している。 災害の伝承とまちづくりをテーマとし、認定NPO法人桜ライン311の代表理事として災害文化の構築に尽力する。

報告 想像してください。自分の大切な人が地震で家具の下敷きになっていて「自分のことはいいから逃げてくれ」と言う。どうしますか。今回の震災では現実にたくさん起こりました。自分のことに置き換えて、そうならないように防災・減災に取り組んでほしい。それが東北のことを思ってできる一歩かもしれません。
団体 桜ライン311
桜ライン311

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