2019年09月30日

2018年度 パルコープ被災地支援職員研修報告②

<2018年11月23日(金)~11月25日(日)>

◆参加メンバー◆2名(敬称略・所属は研修時のもの)
岡本 仁(枚方支所)、三宮 崇(都島支所)

現在の復興状況

【陸前高田】
5.5mの防潮堤 → 12mに
土地のかさ上げ →
津波からの被害を減らすため工事の遅れなどから住宅の再建はま
だ少ない。陸前高田中心部では用途が決まっているのは現在30%。
仕事が少ないことによる若者の流出などで、高齢者の割合が45%
に。資金面等の問題でNPO法人の撤退が出ている。

【大槌町】
陸前高田にある集合住宅型復興住宅に併せて、一戸建て、平屋建て復興住宅建設。 建設に規制が少ないこともあり、住宅再建されている方が陸前高田より多い。

いわて生協さんの移動販売

いわて生協さんの姿を実際に見学させて頂き、移動販売にとても驚きを感じまし
た。
陸前高田の住民の皆さんは、仮設住宅からようやく大野団地(復興公営住
宅)に移動してこられ、落ちついたかと思われましたが、近くにスーパーもなく
年配の方々が食料調達に困っている中、この移動販売車が組合員さんにとって本
当に助かっている存在だということに大変関心を持ちました。
協力元には「おおさかパルコープ」の名前もしっかり入っており、とても身近に
感じました。また、移動販売車に置いてある商品には、日用品からお花、新鮮な
野菜まで幅広い生活用品が揃っていて、岩手生協ならではのシステムを見学する
ことが出来ました。

復興の取り組み「桜ライン311」植樹活動

未曽有の災害と言われた東日本大震災ですが、それと同規模の津波が過去にもあったことが分かりました。
昭和9年に建てられた石碑にも「津波が来るのでここより下には家を建てるな」の文字が彫られています。
震災前から防潮堤には限界があることを知っていれば...。
このような大きな津波がまた来ることをもっと真剣に考えていれば...。
津波によって奪われた命はもっと少なくて済んだのでは。
"この桜よりも上に避難するように"という境界線を後世に伝えるために始まったこの活動。
今回は全国より約140名が参加しました。

桜ライン311とは

陸前高田市内約170kmに渡る津波の到達地点に10mおきに"桜"を植樹し、桜のラインをつくることで震災の記憶を残し、後世の人々に伝承していくことを目的に活動しているNPO法人。
2011年10月より任意団体として発足して以来、春と秋の年2回のシーズンに植樹会を開催しており、パルコープも毎年参加しています。

高田松原再生植樹地の見学

江戸時代に植えられ、田畑を潮風や高潮・とび砂から守ってきた松原が、津波により「奇跡の一本松」を残し壊滅的な被害を受けました。
陸前高田の象徴であった高田松原と砂浜を再生させよう、そしてもう一度子供たちも来ることができる海水浴場を復活させようという取り組みが行われており、色々なボランティア団体の協力から、植樹や植樹の妨げになる蔦や葛を取り除くなどの取り組みをされていることを知りました。
また、防潮堤の向かいの松の木を見学させていただき、ボランティアの方々や、法人の方々が一つになって懸命に松の木の植樹に力を入れておられる様子が伺えました。
その際に、おおさかパルコープの支援の一つである松の木の防風柵がとても役に立っていることを確認し、少しでも復興に向けて手助けができていることを改めて実感することができました。

パルコープ職員としてこれから活かしていく事

災害は防げないが、避難所の備蓄があるかなど、避難所のことを知っておく。見直しなどしておく。
家族が災害時、集まる場所を決めておく。(家族を探すために被害にあった方が多数いたため)
「身近な方にしか防災の大切さ、想いは伝わらないかもしれないが、自分の家族、恋人など大事な人に被災された方の経験と想いを伝えていただき、そのことを知った方やこれまで研修に関わった方々が災害に見舞われた時に無事でいられますように。」
→ 釘子さんをはじめ、被災地で被害にあった方全員が教えてくれた想いです。